「当世 発電所事情」
一技術者としての関わり
1965(昭和40)年4月5日(月)〜1972(昭和47)年3月18日(土)
| 送電鉄塔は、発電所から変電所へ、また変電所から変電所へと日本国中を張り巡らされた送電線を支持する物。そこで、電気の元、即ち、発電所について、調べてみました。 |
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| 日本では、バブルが弾けてこの方、経済が低迷し、電力需要の伸びが殆んどなく、各電力会社は発電所の建設を中止したり遅らせたりしています。そのため、新規に送電線が建設されることは殆んどなく、大手電気メーカーの重電部門や送電鉄塔メーカー、送電線建設業者(電工さん)はその存続が危ぶまれています。わたしの勤めていた会社や同業他社さんもご多分に漏れず、民事再生法適用申請を行い、事実上倒産しました。また、鉄塔の製造から撤退した中堅メーカーもあります。 しかしながら、1960(昭和35)年代以降、目覚しい経済発展を遂げた裏には、供給不足が起こらないようにとの電力会社と関連企業の日夜の努力がありました。 |
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「水主火従」 日本は長い間、水主火従(水力発電が主:若い人はこの言葉を知りませんよね)でした。よく知られている水力発電所として、電源開発(通称、電発)の佐久間発電所(周波数変換所があり、東への送電時は50Hz、西への送電時は60Hz とする 佐久間ダム)、同じく電発の御母衣発電所(ミボロ 堤高131mのロックフィル式=堤体は岩を積み上げたもので、日本初)、関西電力(通称、関電)の黒四発電所(黒部川第四発電所 黒部ダム:堤高186mは日本一の巨大アーチダムで、日本の全てのダムの中で堤高が最大。アーチ式ダムとしては、堤頂の長さ=492m、堤体積=158万立方米も日本一。400万トンのコンクリートを打設した強大なアーチは2億トンの水圧に耐えている。映画「黒部の太陽」。うろ覚えであるが、高さ186mの堤体の頂は巨大な水圧のため、満水時点で3m程前に移動しているとか。そして、この撓みを常時監視するため長さ100mの振り子が堤内にぶら下げられている このダムを建設中に、仏のアーチ式のマルパッセダムが崩壊したため、左右の岩盤と接する部分は、重力式ダムの要素を取り入れるよう設計変更されている) |
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| 写真(平成16年11月撮影)は、1913(大正2)年に間組が建設した九州電力の女子畑(おなごはた)発電所です。当時としては調整池を持つ最新鋭の水力発電所の一つで、最大出力26,750kWは全国4位だったそうです。 | |
「火主水従」 が、戦後の混乱から復興を始めた1960(昭和35)年前後に火力発電所の建設が進み、火主水従と逆転しました。その10年後、大阪万博の会場に「原子の灯」が点って以降、原子力発電もその割合を増やしていきました。 しかし、これは大きな問題を抱えていました。即ち、火力発電や原子力発電は、一旦、火を落とすと、その立ち上げに相当な時間が掛かるため、電力需要の少ない夜間でも一定の発電を続ける必要があるのです。原子力発電所はその効率を考慮し、原則的に100%の出力運転を続けます。火力発電所は最低限度近くまでに落として運転しています。 昼間に比べ、電力需要が随分と落ち込む夜間に発電機を廻しても・・・ 「揚水発電所」 そこで考え出されたのが、揚水発電所です。夜間の余剰電力を火力発電所や原子力発電所から、山奥にある水力発電所に送ります。その電力で発電所内の電動機を廻し、山の上に水を揚げるのです。そして、昼間の需要ピーク時には、水力発電所として稼動するのです。5つ程の火力発電所や原子力発電所に対して、一つの揚水発電所が必要であると聞いていました。 |
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このように、揚水式の水力発電所はとても重要な役割を担っていましたので、従になったとはいえ、大規模の発電所が次々と建設されました。右の表を見ると、一目瞭然ですね。一般水力は、電発の奥只見発電所の56万kWが最高ですが、これも、1961(昭和36)年に36万kWで発電を始めたものに、20万kWが2003(平成15)年に増設された結果です。 先に述べた佐久間も黒四も大規模揚水にはとてもとても敵いません。 しかしながら、この揚水発電所も問題視されています。それは、火力発電の改善が進み、以前に比べると起動時間が随分と短く(2〜3時間で100%出力に)なったため、発電効率が70〜50%(発電電力/揚水に必要な電力)の揚水発電所は無駄ではないかとの議論が出ているのです。 「フレミングの法則」 ところで、電動機(モーター)と書きましたが、発電機とは別に電動機がある訳ではありません。昔学んだ物理のフレミングの法則、覚えていますか。運動・磁力線・電流、左電動機・右発電機。 磁力線と電流を与えれば運動が起こり電動機に、磁力線と運動を与えれば電流が起こり発電機に、ですね。 思い出しましたか。 余談ですが、最近の電車の多くは、電動機を減速時に発電機として使い、近くにいる電車がその電流を利用しています。 |
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作成 平成17年 7 月12日(2005)
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